【くるり】5th.『アンテナ』アルバムレビュー(ロックンロール)

今回はくるり・『アンテナ』を紹介します。

 

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全体の印象

いい意味で全然くるりらしくない印象です。

かなり漢のロックをやっています。

 

とうか、もはや”くるりらしさ”すらわからない。

 

自分の中では、初期のシングル曲(東京、ばらの花とか)みたいな、ポップな曲をくるりらしいと思っていたのですが、

 

このアルバムでポップなのは4「ロックンロール」くらい?

 

さすがカメレオンバンドと言われるだけあって、本当にアルバムごとに作風が変わるんですね。

 

これの一つ前の記事で2nd.『図鑑』のレビューをやったのですが、

ある意味頭のおかしかった『図鑑』とは打って変わって、

『アンテナ』は本格的なブルースロックって印象。

 

ギターソロなんかも本当にかっこいい。特に2、5、7、10。

 

(一番ポップな曲が「ロックンロール」っていう曲名なのも面白いですね。)

 

あまりテンポの速い曲はありません。というか、2「Morning Paper」で、リズム変化で早くなるところぐらいかな。

 

どの曲もどっしりと重い。ブラック・サバス的な感じさえしました。(この印象あってるかな?)

 

ドラムがパワフルだなーと、聞いている間思ったので、もしかして、ドラマーが森さんから変わった?と調べると、

 

ドラマーは、今作だけ在籍した、クリストファー・マグワイアという方でした。

Amazonのレビュー*1でもこの方めっちゃ評価されてました。

 

というか、ギタリストも大村達身という方が前作の3rd.『The World Is Mine』からバンドに加入していました。つまり、かっこいいなと思って聞いていたギターソロは大村さんのギターだったんですね!

 

以下、一曲ずつ感想をズラズラ書きます。

 

1「グッドモーニング」

ストリングスを多用した弾き語り的なバンド演奏。

この時点ではこのアルバムの特徴には気づきません。

 

2「Morning Paper」

ここからロックな曲になります。

この曲はリズムの変化があって面白いですが、

1曲としてもちゃんとまとまっています。

 

韻を踏んだ歌詞にも注目です。

そして後半のギターソロは大村さんのプレイですが、かなり本格的でかっこいい!

 

3「Race」

おもしろいアコギのリフのリズムです。

こちらにもストリングスが使われていて、また重い。

 

4「ロックンロール」

シングル曲で、くるりらしい(と自分が思う)ポップな曲調。

ここでずっしりロック調からいったん解放されて一安心しました。

曲順も納得。

 

この曲のMVも好きなんですよね。

 

www.youtube.com

(てかみんな手袋してるし。どうやってギター弾くねん(笑)。)

 

それにしても、この曲だけポップなので、アルバムの中で浮いてる印象すらあります。

それぐらいこのアルバムは「ロック」の印象が強いです。

 

5「Hometown」

「ロックンロール」で箸休めしたところで、また重たいロックのなかへ入ります。

この曲もかなり重たく、ハードロックかとさえ思います。

イントロから大村さんのギターがワウペダル使ってワウワウ言ってます。

この曲のソロもかっこいい。

 

なお、コーラスには五島良子さんという方が参加しています。

 

6「花火」

静かな曲調ですが、ちゃんとロックでかっこいい曲です。

ギターが静かな分、リズム隊のベースとドラムが前面に出ていてとてもかっこいい。

とくにドラムの力強さ半端ない。マグワイアさんやばいな。

 

7「黒い扉」

落ち着いた大人な曲調です。

曲の半分過ぎたあたりで、ピアノの「ぴろーん」を合図に、ドラム、ベース、リードギターだけの演奏パートになるんだけど、ちゃんと聞かせてます。めっちゃかっこいい。

 

後半のギターソロも、ブルース感が強くてめっちゃかっこいい。

(かっこいいしか言ってない。)

 

8「花の水鉄砲」

この曲はジャパニーズテイストがはっきりわかります。

歌の調子とかお琴みたいなギターとか。

 

9「バンドワゴン」

弾き語りなんだけど、楽器がアコギだけ(重ねてはいるものの)なのに、ギターの演奏だけでも聞けるくらい深みがあると感じました。

 

10「How To Go <Timeless>」

この曲は説明が難しいけど、ギターソロが素晴らしい。

 

総評

やはりこのアルバムの聴き所はパワフルなドラム・ベースとかっこいいギターソロだと思います。

 

アルバム全体で46分・10曲という構成で、サウンドも『図鑑』みたいにおかしいところがないので、聞きやすいと思います。おすすめです。

 

ただ、これをくるりとして聞くと、あれ?と思うのも否めません。

なにしろ「ロックンロール」が浮いて感じるぐらいなので。

 

 

【参考】

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A_(%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0)