【くるり】6th.『NIKKI』アルバムレビュー
くるりの6枚目のアルバム『NIKKI』。
概要
くるりの6枚目のアルバム。2005年11月リリース。
前作で正式に参加したドラマーのクリストファー・マグワイアさんが脱退し、
岸田さん(Vo)、佐藤さん(Ba)、大村さん(Gt)の三人体制で制作された。
Wikipediaには、
前作の雰囲気を引き継ぎつつ、ボーカル岸田繁の敬愛するビートルズやザ・フー、キンクスなどの1960年代のUKロックをベースとしたアルバムである。
とある。
確かに、#1、#7、#12はガレージ・ロックの雰囲気がある。(ガレージって言葉間違ってたらごめんなさい。)
ギターもファズなのかな、歪みのサウンドがこのアルバムに特徴的だなーと。
しかし、「前作の雰囲気を引き継」いでいるかには反論したいんですよ。
前作の5枚目『アンテナ』は、ミドルテンポでけっこうヘヴィなロックをやっていたという印象だった。ブラック・サバスみたいだなと思った。
この『NIKKI』は確かに、エレクトロに傾倒していた特に3枚目のころと比べれば、ロックという同じ枠に入るのかもしれないが、5枚目より明るく、そしてガレージという印象。
(または単にアルバムカバーからの先入観かもしれない。5枚目ってなんか青くてどんよりした感じしない?笑)
シングルは#2、#3、#6、#9。
京急の社長が岸田さんと同じ京都出身ということかららしい。この頃はくるりが大衆に広く認知されつつあった頃なのかもしれない。
アルバムレビュー
#1「Bus To Finsbury」
フィンズベリーはイギリスの地名。歌詞にもBBCが出てくる。しかしこのアルバムの録音はアメリカ。あれ?笑 まあいいや。
オープニングからイギリスのロックを感じさせるギターのフレーズ。
英語の歌詞が多く、くるりにしては珍しい。
#2「Baby I Love You」
小田和正みたいだと思った。落ち着いたフォークロック。
曲の最後はフェードアウト。そういえば#4もフェードアウトでした。これもくるりをこれまで聞いてきてはじめてかな?
#3「Superstar」
くるりのJpopソングってこうだよな、というくるりらしいナンバー。
静かな始まりから高揚感を覚える。
ドンピシャの良曲デス。
#4「雨上がり」
演奏がおもしろい曲。
ドラムのプレイも特徴的だし、ベースは短い音でブンブン言ってる。
アコギの他に弦楽器が鳴っていて、シタールかなと思ったんですが、ブズーキという楽器でした。
岸田さんがプレイしています。
#6でも入ってるみたいだけど目立たない。言われるまで気づかなかった。
#5「Tonight Is The Night」
くるりお得意の6/8拍子(3/4かな?専門的な知識はありません。ご容赦ください)の曲。
少し悲し目な雰囲気。
ここまで4曲明るい雰囲気が続いて、いいアクセントになっている。
ギターソロの音がモゴモゴしていて、ハウリングなどもありちょっと変わっている。
#6「BIRTHDAY」
たったったー・たったったたー のリズムのポップな曲。
楽し気な曲かと思えば、ところどころ不安になるようなところがあったり、
一筋縄ではいかないあたり、くるりらしいとも言えるかと。
あと岸田さんってコーヒーを「たてる」っていう表現を前もどこかで使っていた覚えがある。
#7「お祭りわっしょい」
このアルバムに特有のガレージロック的なサウンド。
歌詞はわっしょいわっしょい言ってる。(笑)
アクセントだけどアルバムの雰囲気を壊さない程度というか、前後の曲とのつながりもそこまで違和感はない。
#8「冬の亡霊」
今度はバンジョーが使われてる。(#10にも。)
またポップで聞きやすい曲にすぐ戻る。ストリングス多用。
次の「赤い電車」につなぐ役割も?
#9「赤い電車」
アルバム後半の目玉。
イントロから続くチープなプラックも相まって、クセのないポップソング。
くるりらしい、とても懐かしい感じがする。
#10「Long Tall Sally」
バンジョー、途中のテンポチェンジ、変拍子、逆再生、不安なメロディー、…
くるりがやりそうな面白い曲。
#11「虹色の天使」
アップテンポで素直なロックナンバー。
#12「Ring Ring Ring!」
ロックな曲が続く。こちらはガレージ感が強い。
#13「(It's Only) R'n R Workshop!」
アルバムの”蛍の光”的な位置づけ?でも「終わった」感は薄いけどなぁ、まあまあ。
総評
明るい、ガレージ、バランスの良い…
ガレージ色が混じったアルバムです。
全体的にとても明るい雰囲気だと思う。
そのなかで#9「赤い電車」#3「Superstar」など、俺たちがくるりに求めるような、懐かしくてポップな曲もちゃんと入っていて、バランスがとても良いと思います。
【参考】