【くるり】4th.『THE WORLD IS MINE』アルバムレビュー
今回はくるりの4枚目のアルバム、『THE WORLD IS MINE』のレビューです。
概要
2002年の4枚目のアルバム。この作品から、くるりのメンバーが在籍した立命館大学の音楽サークルの先輩だった大村さんが加入し、4人体制になりました。また、オリジナルドラマ―の森さんが参加した最後のアルバムにもなりました。
印象
前作の3rd.『TEAM ROCK』で見せたハウスの雰囲気を引き継いで、うん、3rdに似てるアルバムだと思います。でも3rdよりは静かで悲しめな曲が多いと思います。
3rdは結構(歌詞は別として)全体的に明るい印象。
今回のは1曲目と2曲目が透明感のある悲しい曲なのですが、3曲目以降その雰囲気がどっか行ってしまうような印象です。まるで1,2曲目が通しでイントロ的な役割、3曲目がアルバムの1曲目かのような印象もあります。
曲
1「GUILTY」
シロップ16gみたいな曲。
アコギの弾き語りから始まる。物悲しく、寂しい、軽くて聞きやすくかつ鬱っぽい。
そこから爽快感のある速い展開が入って、また最後に落ち着く。
好みな感じデス。これがアルバムの1曲目だから、このアルバム繰り返し聞けるなと思った。
2「静かの海」
一曲目よりさらにダウナーな、アンビエント色の強い曲。
ゆっくりなテンポで、最初はエレクトロニックなんだけど、中盤は音割れしたギターが沈むようなサウンド。
これもかなり好きなタイプ。
3「GO BACK TO CHINA」
トラック1、2と聞いてきて優しくて悲しい感じだなあと思っていたら、ここでロックな曲が入る。
今作から加入の大村さんのギターソロも聞ける。
かっこいいギターフレーズで、曲名の通り銅鑼がボワーンと鳴ったりして好きな曲なのだが、1曲目2曲目の流れにはそぐわないのでは?と思った。
4「WORLD'S END SUPRENOVA」
4つ打ちのエレクトロニックなシングル曲。人気な曲です。
ポップで聞きやすい。
最初の2曲とも統一感があるような気がした。つまり、悲し目で透き通った雰囲気。こっちはかなりポップだけど。
また、次の曲はシングルの後の曲だからダレそうだと予想した。
5「BUTTERSAND/PIANORGAN」
ワールズエンドスーパーノヴァのビートが引き継がれて、そのままインスト曲。
悪くない。問題はここからどういうアルバムの展開になるか。
6「アマデウス」
ピアノの弾き語り?ストリングスが入ってて強調されてる。
7「ARMY」
6/8拍子?の曲
なんだろな、サイケとも言えるし、ヨーロッパの民謡的なテイストもある。ケルト音楽てきな。くるりってよく3/4拍子とか6/8拍子とか使うよね。
後ろに入ってる短い1音のシンセ?が神秘的な雰囲気を作ってる。
8「MIND THE GAP」
途中でバグパイプが消える時間帯があって、そこはDJがターンテーブルをいじるような音も入ってる。
9「水中モーター」
ポップなバンドサウンド。
機械のような、かなり加工されたボーカルが印象的。
10「男の子と女の子」
安心なアコギとバンドのトラック。
ゆっくりで楽器も少なく、シンプルな曲なので、ドラムがパワフルに聞こえる。
ベースラインを追ってくのも楽しそうだけど、ボーカルのボリュームが大きくてちょっとやりづらい。
歌詞はそのまま男の子と女の子についての歌詞で、こっちが恥ずかしくなるくらいストレート。
ここらへんで最初の1曲目、2曲目の面影はもうありません。
11「THANK YOU MY GIRL」
コーラスが強調された曲。
前曲に続いてポップな曲という印象ですが、前曲よりロックっぽく感じました。
*1wikipediaによると、この曲のギターソロはoasisのChampagne Supernovaという曲のオマージュだそうです。
聞いてみましょう。
ギターソロは1:01ぐらいから。
ギターソロは3:03くらいから。
なるほどねー。くるりは色んなところから影響を受けてるんですね。
(特に洋楽のロックのオマージュが多いのかな?レディオヘッド、MBV、そしてoasis…)
12「砂の星」
3/4拍子でメルヘンチックな曲。後ろでムワーンと鳴ってるシンセが面白い。
鳥の声とか入ってて、そのまま次のアウトロ曲につながる。
13「PEARL RIVER」
ラストの曲。
前曲からつながっており、鳥の声や自然の音が入るが、それに加えて水の音(*1によると舟の漕ぐ音)が最後までつづく。
歌いだしの ”月の夜に願いました” という歌詞と、歌のジャパニーズ的な調子から、竹取物語を連想した。聞けばわかる。(伝われ)